議会質問の報告 第2弾!
今回の質問の2番目のメニューは、ご存知「八ッ場ダム」。私が県議会議員になる決意をしたのも、八ッ場ダムを何とか阻止したいがためだった。最初の質問も八ッ場ダム。以来、毎年必ず取り上げてきたビッグイシューである。
今回は、まず「フルプラン」から切り込んだ。
フルプランとは、国交省が策定する「利根川と荒川水系の基本計画」で、千葉県が水道や工業用水の新たな水源をダムに求めるときのよりどころとなる。
今国は第5次フルプランを策定中。そのため関係都県に「あなたのところのデータを出せ」と言ってきた。千葉県が提出したのはなんと、1999年のデータ。これをもとに2015年の水需要予測を出しているから、当然極めて過大な予測となる。果たして、水道用水の1日最大給水量を毎秒33.39㎥と見込んだが、これに対し国はグッと下方修正した数字を返してきた。
「2015年の1日最大給水量は毎秒29.32㎥とする!」
千葉県の予測との乖離は4.07㎥。実に八ッ場ダム(水利権は2.35)二つ分ごそっと減ったのだ。これに対し、国と県とで色々やりとりがあったのだと思うが、一応妥協案が採られた。
「2015年の1日最大旧水量は毎秒30.63㎥とする」
少し増えたが、これでも八ッ場ダムまるごと1個分少ない。つまり、どう計算しても八ッ場ダムは飲み水として必要ないのだ。千葉県の水需給は余剰がたっぷりあるし、八ッ場ダムが完成する頃には人口も減少の一途。
しかし、これに対して総合企画部長の答弁は判で押したようないつものフレーズ。「水需給は、各事業体からこれだけ水が欲しいという数字の積み上げてして・・」
おい、おい。それじゃあ大多喜ダムはどうなんですか。企業団(事業体)からのヤイノヤイノの要請で工事が始まったものの、人口が減ったし水はいらないとなって、企業団はサッサと撤退してしまい、今ダム計画は宙ぶらりん。事業体からの数字の積み上げだけしていればいいんだったら、水政課はいらないということでは?
次に「工業用水」
企業庁は今年3月、新しい経営計画を発表。その中でとりわけ目を引くのは、7つある事業地区のうち4つを一つに統合したことだ。八ッ場ダムを新規開発水としてもっている①千葉地区と、②五井市原、③五井姉崎、④房総臨海。四地区は配水管もつながっているので、今後は水を融通しあいながら、効率的な経営をやっていこうという主旨だ。「千葉関連四地区」と新しい名前がついた。そこで、この図をご覧いただきたい。↓
四地区の企業の契約水量の合計と、本当に使った実績との差がひどい。工業用水は、企業がいくら使ったかに関わらず、契約水量の料金を払わなければならない仕組みとなっている。契約水量だけを見れば、なるほど、保有水量とトントンだ。しかし、実績はその7割しか使われていないのだ。しかも、八ッ場ダムが関係するこの「千葉関連四地区」の146社のうち、47%の企業が契約水量の50%以下しか水を使っていない。
千葉県企業庁は相変わらず「契約水量」死守の構えだが、一度企業の声もアンケート調査をするべきだ。八ッ場ダムの負担金や使わない水への支払いなど、企業にとってデメリットが多すぎる。
更に、景気低迷で水需要が伸び悩んでいる現状がある。工業用水は今5万2千トンもの「売れない水」をかかえている。あんまり売れないものだから、申し込みのときの納付金を昨年より廃止した。これで100億円もの収入見込みを手放した事になる。一方で、まだ、八ッ場ダムからの水を上乗せしようとしているのだ。倉庫にいっぱい在庫があるのに、さらに商品を注文しているという状態。とてもまともな経営感覚とは思えない。
次に「治水」。
今年3月の予算委員会で、「八ッ場ダムによって千葉県はいったいどれほどの治水効果を受けるのか」と聞いたところ、「分からない」という答弁に驚いたが、これは県が国の受け売りを繰り返しているだけで、自分では何にも調べず、地方自治と逆行する姿勢を貫いている証拠だ。今度の担当部長はまたもや国交省からの人事だし、県土整備部はもはや国の出先機関の様相をなしている。
国交省は国会でもひどい答弁を繰り返している。八ッ場ダムが完成したら8千数百億円の便益がありますよと、喧伝しているが、その算出根拠が噴飯もの。例えば、八ッ場ダムのおひざもとの川原湯温泉には、草津から嬬恋までの観光客が全部来るという前提で計算。これは例えていうなら、千葉市の「きぼーる」に、ディズニーランドのお客さんが全部来ますよと言うのと同じ。また、ダムで川をせき止めておきながら、もう一度水を川に流すとしたら、それを見るためにいくらお金を払うかなどというアンケートを周辺住民にとって、1人200円などと計算しているのだ。こんなアホらしい根拠を堂々と発表する神経が分からない。
しかも、こんなデタラメなデータをふりかざす国交省を疑うこともせず、言われたとおりのオウム返しをする千葉県にいたっては、もう神経のない越前クラゲとおんなじだと言わざるをえない。
朝日新聞が先日、「八ッ場ダムの根拠となっているカスリーン台風だが、実は八ッ場ダムができても効果はゼロだと、国交省も認めた」と報道したことを取り上げて部長に再質問したが、「八ッ場ダムの下流で雨が降れば効果がある」などと意味不明の答弁。それじゃあ、やっぱり八ッ場ダムはいらないではないか。小学生でも分かる理屈だが・・・
もうひとつ、これも予算委員会で取り上げた河川改修とのからみ。八ッ場ダムなどのダム工事費の予算がかさみ、肝心の地道な河川改修費がこの10年間で半分に抑えられているのだ。
これに対しても、相変わらず「ダムも河川改修も、どちらも重要」との答弁。しかし、国交省みずから、利根川水系の大部分が改修を必要としていると発表している。二兎を追うもの、一兎を得ず。これから台風シーズンに向かって、堤防が壊れない事を祈るのみだ。千葉県の答弁根拠の堤防は、とっくに壊れていると思うけど。

