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2006年7月 6日 (木)

備えあれば憂いあり・コスタリカの選択

北朝鮮が未明から午後5時までに7発のミサイルを発射しロシア沿海地方南方の日本海に着弾しました。一発はテポドンだという。そのニュースが日本中を駆け回ったその夜、柏で、軍隊を捨てた国・コスタリカからカルロス・バルガス(コスタリカ大学教授)氏と早乙女勝元さんの講演会が行われました。

Save0045 人口430万人、広さ四国と九州を合わせたくらいの中南米の小さな国が、周辺の内戦に巻き込まれないようにとった手段が「積極的非武装永世中立」。武器を対話に換えて徹底的な対話で合意点を探るという「積極的」平和外交により、60年間非戦を貫いてきました。

憲法で軍隊を持たないことを明記しているのは日本とコスタリカだけ。コスタリカは憲法12条で常備軍廃止を謳うが、交戦権や自衛権の放棄まではしていない。改憲は国民投票なしである。しかし、12条だけは未だに手付かずで軍隊を持たないまま60年やってきた。一方日本は軍隊を持たないといいつつ、実質日本の国防予算は年間5兆円(国民一人当たり4万円)!。

今、こうして北朝鮮の無謀ぶりがエスカレートしてくると、なおさらわが国でも繰り返される質問があります。「丸腰では、どこかの国が攻めてきたらどうするの?」

コスタリカでは誰もが「丸腰の民主主義の国を攻めるのは、現代では骨の折れることです。世界の世論を敵にまわすことになるからです」と答えます。

早乙女さんもまた「備えあれば憂いあり」と喝破します。軍備は相手より多く、強くなければ意味を成さない。ほどほどの軍備というのはありえない。だからコスタリカの「丸腰」はすばらしいのです、と語ります。

小さな国の予算の四分の一は教育費。子ども達は人権とは何か?を7歳から学び始めます。財政規模の小さい国であっても軍事費に予算を回さなければ、60年間で、これだけのことができる。周辺の国に比較すると豊かなコスタリカの実態が、平和が何より国を豊かにすることを証明し、近年ますます尊敬される国になりつつあります。

「大事なのは、やはり対話。平和のためにみんながもう少しずつ寛容を持つことが大切ではないかしら」との女性の言葉が身にしみます。

子ども達が、だれに投票するか考えたりする模擬投票「こども選挙」の企画もあります。ビデオでは、子ども達が、お年寄りの手を引いて投票所へ向かうシーンも流れました。そうして幼い頃から政治を大切にすることを学ばせてきたコスタリカでは、投票率が常に80%を下らないというのも驚異です。

移民問題もまた驚きです。430万人口のうち100万人がニカラグアからの移民です。憲法19条には「外国人はこの憲法及び法律が定める例外と制限を除いて、コスタリカ人と同等の権利及び義務を有する」。31条は「コスタリカの領土は政治的理由で迫害を受けているすべての人の避難所である。追放が法律上の命令で裁定された場合でも追放を受けた国への送還は認められない。」

なんという高い見識の国!こんな言葉を憲法に書き込める国民の人権意識の高さに脱帽です。

何が違うのか?なぜ日本ではできないのか?考えながら柏から帰宅しました。写真は遠くから撮ったバルガスさん、早乙女さん。Cimg1551

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