« 再び・コスタリカ | トップページ | いちはらの森林 »

2006年8月27日 (日)

死に方の選択

初めがあれば終わりがあります。そんな自明のこととして、人の「死」があります。日本人の中には、「大往生」「花は桜木」という言葉にこめられた「死に方の美学」のようなものがあったはずです。しかし「畳の上で死にたい」という願いは、今や、贅沢になってしまい、ほとんどの人が病院で死にます。

病院という監獄で、自らの生き死に・命の終わり方の選択を、他者の手にゆだねるのはいや!そこで、在宅ケア、ターミナルケアに、かねてから関心がありました。

本日は「在宅ケア市民ネットワーク ピュア」主催の学習会「患者と家族を支える在宅ケア」に参加しました。講師は松戸で「あおぞら診療所」を開設しておられる川越正平先生。一見、トッチャン坊やのようなやさし気な若い先生なのに、あくまで見識は高く、想いは深く、信念はゆるぎなく、かつその姿勢の謙虚さに驚かされます。すごい!まずはスタート時のあおぞら診療所。Cimg1645 何とかわいらしい!町のゲーム屋さんを改修したのだそうで、今はもう少し、立派になっているそうです。

「ターミナルケア」では暗いので、今は「End Of Life」というそうです。がん患者だけでなく、あらゆる疾患のエンド・オブ・ライフを担当するのが在宅医療。QOLや満足度に重点をおきます。あくまで本人の満足度。(ここがポイント)。

「地域を病棟」ととらえ、自宅が病室。道路が廊下。在宅主治医・訪問看護婦・薬剤師が活躍します。もちろん病院とは異なりますが、それは「詳細な検査ができない」「医療者にとっては都合が若干悪い」「回診が困難」という程度。

一方、在宅のよさは「生命と生活を支える」ことができること。往診によって家庭の状況がみえます。食生活、住まいの状況、家族が見えて、柔軟・適切な対応ができます。クリスマスシーズンには、こんな格好で往診します。まあ、患者さんの笑顔の明るいこと!Cimg1646 喜びを感じてもらえることが大切、というのが川越先生の持論。あれかこれか、と迫るのでなく、あくまで患者本人にとって良いように、修正しながら診療方針を変えていく、それが「臨床」だと思います、との言葉に深く感動しました。

あおぞら診療所では患者の4人に1人が癌(ガン)。死亡者のうちガン患者は53%。(在宅看取りの68%がガン患者)。重篤なケースが多いため、初診から死亡までの日数は自然と短くなります。もちろん、家族が在宅に耐え切れず、病院にもどるケースもあります(約3割)。在宅ケアを推進するためには24時間の安心を提供する磐石な基盤が大切です。在宅療養支援診療所の創設。高機能型訪問看護ステーション(24時間体制で対応できる訪問介護看護)の推進、が必要とのこと。

いずれにしても、自らの死に場所を選び取る自由を取り戻すため、「街角ホスピス」が必要である、との提言を、しっかり納得することができました。道のりは遠いけど、少なくても自分の死に方にも、直、関わってきます。今後も、関心を持って学んで行きたいと思います。

ピュアの藤田さん、いい企画をしてくださって、ありがとう。写真は、かつて聞き取りに行った時の藤田さん、再掲です。Cimg1490_2 

« 再び・コスタリカ | トップページ | いちはらの森林 »