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2006年11月 5日 (日)

日本の医療が危ない

こんな気になるタイトルのシンポジウムが東京・永田町の星陵会館で行われました。主催は地域医療研究会/代表世話人・鎌田實氏です。

トップバッターは鎌田さん・・・・諏訪中央病院は、まだ寝たきり老人と言う言葉もなかった時代からデイケアのような仕組みを作ってきました。薄暗い納戸で「寝たきり」の病人の悩みやら、一つ一つ現場で見えてきた事柄に対して答えを出しながら地域医療に取り組んでこられたそうです。病院及び周辺の様々な関連施設は大きくなり、病院自体も362床のベット数を抱える大病院。でも、病院を終の棲家にするのはよくない、と考え、在院日数を減らしながら地域医療を充実させる、医療費は上げない(今も長野県はダントツ医療費が抑制されています)。500人の関係職員の生活も成り立つようにしていく、などの命題に取り組んでいます。

鎌田さんの続き・・・でも、こんなに医療関係者は頑張っているのに、医療に対する不満は大きくなっています。それは「病気を退治する」という「攻める医療」から、治療後の患者を「支える医療」の充足を求める患者側の想いに応えていないからではないか。「助かりたい」から「生きててよかった」と思える医療をめざしたい、との言葉。本日の鎌田さんは午後のコーディネーターでもあります。Cimg1787

続いての午前の基調講演は権丈善一慶応大学商学部教授。私はケンジョウです。ゴンジョウではありません。有名ではないから、本日の講師だというのに、受付で参加費を取られそうになりました、と、まずは軽くジョークでジャブ!その後は限られた時間の中で言いたいことがてんこ盛り!怒涛の講演!目を白黒させながら聞きました。鎌田さんの隣が権丈さん。きかん坊そうな顔でしょ?Cimg1793

おもしろ語録:その1「医療費を増やす」と公約しない政党には次の選挙で一票を入れないようにしよう!

その2 政策は所詮、力が作るのであって正しさが作るのではない。

その3 <必要に応じた分配>に重きをおく社会を日本に選択させるには、この国の労働者組織は役不足である。(連合の人がいたらごめんなさい)

その4 日本の医療政策を取り巻く環境を考える時、経済学が役割を果たしていない。必要なのは「公共経済学」である。(そうだ!)

その5 現在問題になっているのは、少子高齢化、格差社会、医療崩壊という「三本の矢」。でも選挙において国民はひとつの争点しか選択し得ない。だって一票しか持っていないんだから。何を最優先させるか、政策のアイデアが「力」になる。だからこそ、医療崩壊がどれほど深刻な問題か、国民をひきつける政策「力」で示すしかない・・・など等。

午後のパネリストは厚労省医政局指導課課長佐藤敏信さん。お役人らしくない軽妙なお話。この頃の政策の分析。(おぬし、できるな!)

医療情報の公開・開示を求める市民の会の勝村久司さんは、長女を陣痛促進剤被害で亡くされてから医療裁判や市民運動に取り組んでこられた方です。

(勝村さん)産院では火曜日午後2時頃の出産が多い。でも、自然のままだと未明がもっとも多い(助産院調べ)。それに赤ん坊は曜日を選んで生まれるわけではない。すべて、病院の都合で「陣痛微弱」という名目で促進剤を注射されて苦しんだ挙句の出産となる。促進剤に対する過敏性は人によって200倍の差があり、なんでもない人、命に関わる被害を受ける人の差があることは、自明のことなのに、そんな事実も今日にいたるまで知らされていない。

彼もまた今回の中医協の委員として発言したそうです。医療単価の価値観を変えていかなければ、医療費の総額を上げていくだけでは根本解決にはならない。具体的には、小児科、産科の医療点数ををプラス改定し、出産を保険適用にすべき。また、領収書発行の義務化も提言。

医療問題で訴訟になっているケースは、悪質な事例ばかり、そうした悪質な医師の問題と、誠実に医療を行いつつ過酷な状況におかれている医療全体の問題は分けて考えてほしい、との提言もされました。

続いてのパネリストは鈴木厚さん。川崎市立病院・地域医療部長です。夜勤明けで疲れた身体に鞭打っての出席で、内から怒りのオーラがふつふつと湧き上がり、堰を切ったような弁舌。まあ、おもしろいの、おもしろくないのって・・・、書籍を二冊買ってきましたので、また後日、書きます。

最後は石井えいき(漢字がパソコンにない)先生。日本病院会常務理事。中医協委員です。今まで医師会といえば診療所、開業医の声が大きかったけど、今回初めて病院関係者が中医協に加わったのだそうです。始めから医療報酬マイナスが決まった上での議論だったけど、でも患者や、病院会が参加したことで議論が広がったことはプラスでした、と評価されました。

誰もがあふれる想いを怒涛のように語るから、まあ、議論の「濃い」こと!でも出席したひろみさんも、佐倉の山本良子さんもぐったり疲れて大満足の一日でした。Cimg1790

そうそう会場には、色平哲郎さんも見えていました。お昼時間にお話できて、ラッキー!

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